こんにちは。今回は山形県遊佐町にある「胴腹滝(どうはらのたき)」をご紹介します。
庄内地域の最北部、秋田県との県境に位置する遊佐(ゆざ)町。
東北有数の独立峰である鳥海山の豊かな伏流水が、町内を流れる月光川の水や地下水となっています。そんな「水の郷」遊佐町、山形県の「里の名水・やまがた百選」でも12か所が認定されています。
「胴腹滝」は町の中心部から鳥海山側へ車で15分ほど、「一の滝」「二の滝」へ向かう途中にあります。
この看板が目印。左側に10台分ほどの駐車場があります。
駐車場から滝までは5分ほど。杉林の中を歩いて進みます。
道は整備されていますが、天候や湿度の高さによっては、滑りやすくなっている場合もあるので気を付けて。
朝の光が杉林に差し込みます。
道沿いの植物や苔のみずみずしい様子からも、水の豊かさを感じ取れるほど。
小川の流れも澄んでいてきれい。
森の空気の清々しさに、呼吸も次第に落ち着いて深くなっていきます。
「不動尊」の鳥居をくぐります。
行き止まりとなったところに現れた風景。ここが胴腹滝です。
鳥海山の標高約230mから滝が流れ出す様子が、まるで人の身体の「どうっぱら」(山腹)から湧き出しているように思われることから「胴腹滝」と名づけられている、とのこと。
この地域に暮らす人々は古来、この胴腹滝をはじめ町内に流れ湧き出る清らかな水の恵みを大切に守り続けてきたのですね。
ふたつの滝の間には小さなお社が。
「そもそも胴腹瀧と申す奉るは人の身躰一切を守り賜う故を以って胴腹瀧と奉り唱うなり」
引用:胴腹瀧不動堂 看板より
山の「胴腹」から湧き出ているという由来のほかに、身体堅固への祈りが込められているのも素敵ですね。
この滝は地域の住民の方が代々守り続けており、滝の流れをはじめとした環境の整備を行っている、とのことです。
手前に2か所、左右に分かれて水が絶えず流れています。胴腹滝の水はここから汲むことができます。
「左右の滝で水の味が違う」とも言われているようです。
とても冷たい水。滝の周辺もひんやりと涼しく、暑さを忘れられるほどです。逆に冬でも水が凍ることはなく、年中水を汲みに訪れる人が絶えない、とのこと。
空のペットボトルに水を汲みました。殺菌をしていない生水なので、不安のある方は煮沸すると安心ですね。
ひと口飲んでみると、冷たくて口当たりも柔らかく、そしてほのかに甘いような感覚を覚えました。このお水でお茶やコーヒーを淹れてみるとどうなるのか、味の違いを試してみるのも楽しいですね。
また伺います。引き返して鳥居をくぐり、駐車場へ。
短い散歩程度の時間の中でも、森林や滝の癒しを浴びて、リフレッシュできました。
あとがき
今回は遊佐町の「胴腹滝」をご紹介しました。
鳥海山を源とする水の豊かさと、それを守り続けてきた地域の営みを感じながら、心が穏やかになる時間を過ごすことができました。
遊佐町へお越しの際にはぜひ訪れていただきたい場所のひとつです。
名称 | 胴腹滝(どうはらのたき) |
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住所 | 山形県飽海郡遊佐町吉出 |
交通手段 | 遊佐駅から車で約11分 |
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